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「お前には一銭も残さない」といわれても遺産を貰える権利がある

遺留分減殺請求

遺留分減殺請求の概要

遺留分減殺請求とは?

遺留分制度とは、被相続人が有していて財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障する制度をいいます。例えば、夫・妻・長男・長女の4人家族で夫が死亡し、夫が「長男に全てを相続させる」という遺言を残した場合、妻と長女は、長男に対して一定割合の財産(遺留分)を請求(遺留分減殺請求)できるようにする制度です。

何故、このような制度が民法に用意されているのでしょうか?それは、相続制度は遺族の生活保障及び遺産形成に貢献した遺族の潜在的持分の清算などの機能を有しているからです。制度趣旨については批判もあるところですが、遺言等で「…には1円も相続させない」とするのが、あまりにも不合理な場合も世の中には実に多くあることも事実です。相続人も、何らかの形で亡くなった方の遺産形成に寄与している場合も多いのに、そのような場合に亡くなった方の一存で相続分をゼロにされては、残された者としてはたまらないというのはある程度納得し得るところです。

遺留分減殺請求の時効には注意!

遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈を知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する(民法1042条前段)とされています。

「贈与又は遺贈を知った時」の解釈については、多くの判例が集積しているところですが、いずれにせよ相続があった時から1年以内に出来るだけ請求権を行使しておくべきです。

1年というのはあっという間です。遺留分の計算や遺産分割の話し合いをしたりなどしていると、すぐに1年は過ぎてしまいます。そこで、遺留分減殺請求権を行使する旨の内容証明を送るべきです。

当事務所では、時効期間を算定し、必要な場合にはすぐに遺留分減殺請求権を行使する意思表示を行います。

時効を過ぎてしまったかもしれない…

遺留分減殺請求権の時効期間は非常に短いです。中には、既に時効が過ぎていると諦めてしまっている方が少なくありません。

しかし、即断は禁物です。例えば、「減殺すべき贈与があったことを知った時」の解釈について判例は、贈与の事実及びこれが減殺できるものであることを知った時と解すべきであるとしています。

裁判例の集積もあるところであり、減殺できることを知った時といえるかどうかについては、個別の事実関係によります。

時効を過ぎているかもしれない…と思っても、とりあえず弁護士に相談することをお勧め致します。

弁護士と司法書士・行政書士の違い

弁護士と司法書士・行政書士の違い一覧表
 弁護士司法書士行政書士
交渉×※1×
調停代理××
訴訟代理△※2×
強制執行代理××
登記×
税金相談××
書類作成

※1 請求額が140万円以内で、かつ、簡易裁判所の管轄に属するものについては交渉できますが、遺産分割や遺留分減殺請求は、まず調停を経なければならず、調停は家裁の管轄に属しますので、調停に関する法律相談や交渉は違法となります。

※2 請求額が140万円以内で、かつ、簡易裁判所の管轄に属するものについては代理できます。ただし、控訴されると、管轄は地裁以上になりますので、この段階で代理できなくなります。

遺留分減殺手続における弁護士と各士業の違い

上記の表のように、遺留分減殺請求等の遺産相続については、弁護士しか出来ないことが多くあります。弁護士の最大の特徴は、あらゆる法律問題に代理人として弁護士名義で、ご依頼主に代わって行動できることです。そして、調停から訴訟(以下、140万円を超える裁判のこととします)、強制執行、登記、税金相談に至るまで、一貫して問題解決を目指すことができます。

他方、司法書士等ですと、調停や裁判には出席ないとともに、税金相談等は出来ませんので、どこかのタイミングで他の専門家を頼らざるを得ない場合が多いといえます。この場合、調停や裁判にはご依頼主ご自身が出席することになります。

調停や裁判では、特に訴訟では相手方弁護士との交渉を行い、和解タイミングを計り、裁判官が言っていることを正確に把握し、次の書面作成や証人尋問等に備えなければなりません。その上、証人尋問等をご本人で行わなければならないことになってしまいますが、これではせっかくお金を払っても、難しい部分だけをご本人が行うことになってしまいます。

また、訴訟が終わっても、強制執行は非常に専門的な手続が必要ですので、そこではおそらく弁護士に依頼せざるを得なくなる可能性が高いといえます。その場合、費用がダブルでかかってしまうことにならざるを得ません。

そもそも、裁判や調停を自分で出席して対応できるという場合、書類作成だけをご依頼いただくのはあまりメリットがないと思われます。

このようなことから、書類作成のみを依頼するというのは、実際にはほとんど見られない形態です。

なお、書類作成だけやってほしいというご依頼であれば、そのような対応も可能ですので、ご相談ください(可能かどうかについてもご相談ください)。この場合、法律相談を踏まえて、裁判の見通し等をご説明致します。

遺留分の割合(具体的にいくら請求できるのか)

遺留分の割合
原則法定相続分の2分の1
相続人が父母(直系尊属)のみ法定相続分の3分の1
兄弟姉妹兄弟姉妹には遺留分はない

 

具体例

例:夫(太郎)・妻(花子)・子(五郎)の3人家族で、夫の遺産は6000万円の預貯金のみ。ところが、夫と妻は大変仲が悪く、また妻と息子も大変仲が悪かった。夫は「妻には一円も残さず、6000万円の預貯金は全て子である五郎に相続させる」という遺言を残していた。妻は、息子に遺産をしっかり分けるように言うが、もちろん息子は一切聞く耳を持たない。このような場合、妻は遺言書どおり、1円ももらえないのか。

この場合、妻の法定相続分は2分の1です。ということは、6000万円の内、3000万円は妻の法定相続分となります。そして、遺留分の割合は原則どおり2分の1ですから、法定相続分3000万円×2分の1=1500万円が妻の遺留分となるわけです。したがって、妻である花子は息子である五郎に対し、1500万円の遺留分減殺請求が出来ます。

遺留分の計算について

上記の例は、遺産が預貯金のみという単純な場合なので、非常にわかりやすいのですが、遺産は普通預貯金だけではなく、株式や不動産が含まれるのがむしろ通常です。また、借金がある場合ももちろんあります。

また、上記のように遺留分の制約があることを知った夫が、生前に息子である五郎に預貯金等を生前贈与してしまう場合もあります(生前贈与した場合も、遺留分算定の基礎に含まれる場合があります。)。

このような場合、遺留分がいくら発生しているのかの計算は困難を極めます。

財産の評価方法としては、一般的にはその物の取引価格によって決まります。券面額どおりではないので、例えば亡くなった夫が債権を500万円持っていたとしても、500万円そのものの価値があるというわけではありません。

遺留分減殺請求の紛争解決手続について

遺留分減殺請求権があるといっても、どのような手続で解決できるのでしょうか。

もちろん、親族同士で話し合いが決着すれば良いのですが、親族同士で揉めてしまっている場合には、当事者同士で話し合いをすると、かえって感情のもつれあいが生じてしまい、事態が悪化してしまうケースも残念ながら非常に多いといえます。

そのようなことから、国は調停・裁判という解決手続を用意しています。

とはいえ、財産の計算方法等も非常に複雑で、自ら書類等を準備し、全期日に出席することは困難(調停・裁判は全て平日に行われます)なことから、唯一代理人として活動できる資格として弁護士制度が設けられております。

調停

調停(遺留分減殺請求調停)

遺留分を巡る事件は、「家庭に関する事件」として、家庭裁判所の調停を行うことができます(家事法244条)。家裁の調停を行うことができる事件ですので、調停前置主義がとられ、裁判所に訴えを提起する前に、まず家裁の調停を経なければなりません(家事法257条)。

 

申立てに必要な書類
  1. 出生から死亡までに編製された被相続人の全ての戸籍謄本
  2. 遺産目録・遺贈又は贈与目録・債務目録
  3. 遺留分減殺請求の意思表示が相手方に到達したことを疎明する資料
遺留分減殺請求調停の流れ
調停申立書の提出

提出先は、相手の住所地にある家庭裁判所です。

調停期日

調停申立書を提出した家裁が調停をする日時を決めます。調停期日は、概ね1か月に1回程度です。調停期日は、全て平日で、調停委員も多数の調停を抱えている上に、相手方の都合もあることですので、期日を決めるのに相当の時間を要する場合もあります。

一回の調停時間は大体長くて2時間ですが、もっと伸びる場合も少なくありません。複雑な事案では、14時から17時近くまでかかったり、10時から13時近くまでかかることもあります(調停委員の熱心さや事案の性質にもよります)。

調停成立調停委員会による調停調書作成
調停不成立訴訟又は調停外の交渉による解決

調停が不成立となった場合、裁判手続によって解決することになります。

訴訟

法律論と事実論の整理

訴訟では、調停のような話し合いではなく、どちらの主張する事実が認定出来るのか、どちらの法的主張が正当なのか、を真正面から争うことになります。訴状、答弁書、証拠作成等を通し、いかに裁判官に解りやすく自らの主張の正当性を伝えるかが勝負の別れ目となります。

裁判では正しい方が勝つわけではなく、正しいことを主張出来た者が勝つことになります。というのは、裁判官は基本的に当事者が主張したことしか取り上げることができません(弁論主義)。

裁判官としては、ある程度当事者の主張が「本当はこうなのかなあ」と思うことはあっても、基本的には手を差し伸べてはくれません。そのような制度上の理由もあって、真実としてどちらが正しいかよりも、正しいことをしっかり主張できることが、裁判では特に重要となります。

裁判には従わなくてもいいのか?

裁判で、「…の遺留分を支払え」という勝訴判決が出た場合、相手方はその金額を支払う義務を負います。もし支払わなければ、裁判所が強制執行を行って、無理やりにでも回収することになります。よく、「裁判やってもあの人は絶対お金なんて払わない」という方がいらっしゃいます。しかし、裁判で支払えといわれた場合、税金と同じように国家の力によって回収することになります。もちろん、訴訟から強制執行手続きについてまで、当事務所は最後までサポートいたします。

当事務所の対応

遺留分減殺請求事件解決の流れ
遺産調査

まず、遺留分はどれくらい侵害されているのか、具体的金額を割り出します。具体的には、遺産全体の額、生前贈与、遺言の有無等を調査します。不動産であれば、評価額を調査し、全体としてどれだけの遺産があり、どれだけの遺留分が侵害されているのかを計算します。

 

遺留分減殺請求の意思表示

遺留分が実際に存在したとしても、ただ黙っているだけでは遺留分は戻ってきません。しかも、遺留分減殺請求は相続開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内に請求しなければ権利は喪失します。

また、贈与等の事実を全く知らなかったとしても、相続開始の時から10年が経過すると権利は消滅します。

最も注意しなければならないのは、口頭で請求しただけでは、非常に危険ということです。

相手方に「知らない」といわれればそれまでです。この場合、確実に相手方弁護士は時効を主張してくるはずです。当事務所では、内容証明郵便を送付するなどして、時効を争う余地がなくなるよう迅速に手段を講じます。

遺留分減殺調停

当事務所の弁護士が代理人となって調停に出席します。

ご本人も弁護士とともに出席を求められる場合もあります。また、出席した方が有利と考えられる場合には、一緒に出席していただくようお願いすることもあります。

なお、申立書等の調停や訴訟に必要な証拠等は当事務所で準備致しますので、ご本人様が用意する必要はありません。

遺留分減殺請求訴訟

調停が不成立となった場合には、訴訟を起こすことになります。訴訟でも、弁護士は代理人となって裁判を行いますでの、ご本人が出席する必要は基本的にありません。また、訴訟書類の準備も弁護士が行います。

強制執行手続

勝訴判決が出た場合に、もし相手方が任意に遺留分を支払わない場合、国家の力で強制的に回収することになります。

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