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弁護士・司法書士・行政書士との違い

弁護士と司法書士等との違い

近年、司法書士や行政書士との違いを聞きたがる方が増えております。また、司法書士や行政書士に依頼をした後、当事務所に相談に来られる方が増えております。そこで、弁護士と司法書士・行政書士等との違いについてご説明いたします。

※なお,離婚や相続では弁護士に〇が多いのは事実です。しかし,例えば司法書士には数多ある登記の分野における広大な専門分野があり,行政書士には数えきれない程の許認可等の手続分野があります。弁護士は通常それらの業務を行いません(専門性がないので)。ですから,結局は「何が専門分野か」という問題に過ぎないと思われます。それぞれ,各専門家はお互いに助け合っているのが実情です。

離婚問題を扱える範囲

離婚問題における職務範囲
各士業が合法的に扱える範囲弁護士司法書士行政書士
離婚自体の法律相談  ○  ×  ×
離婚協議書の作成  ○  △  △
依頼者の代わりに交渉すること  ○  ×  ×
調停の代理人  ○  ×  ×
審判の代理人  ○  ×    ×
財産等の差押え手続の代理  ○  ×  ×
裁判の代理人  ○  ×    ×
慰謝料請求  ○  ▲注2  ×
専門家名義の内容証明作成  ○  ×  ×
財産分与請求  ○  ×  ×

注1 協議書の書類を作成すること自体は可能。ただし、法律相談を経て(つまり、この場合離婚できるか等権利義務関係に関わる相談)その結果を書面としてまとめることは出来ません。つまり、依頼者の言ったとおりに代筆することが出来るだけです。

注2 簡易裁判所管轄の140万円以下の慰謝料請求に限り可能。ただし、通常請求額としては大きめに主張すべきで、140万円以下として始めから少額で請求することは控えた方が良い場合が多いです(140万円で請求すれば、どんなに有利な事情があっても、140万円を超える判決は出ない)。

 また、簡裁で勝負がつかず、控訴されて地方裁判所の管轄に移った場合には、司法書士は代理ができず、弁護士に依頼することになります。

さらにいえば、離婚の場合、慰謝料の他に財産分与や面会交流、親権の問題も出てくることが多いところ、財産分与や面会交流、親権問題は家庭裁判所の管轄なので、裁判や交渉代理、法律相談をすることは出来ません。

法律相談とは?

法律相談とは、例えば、

 「この場合、離婚できるか」

 「この場合、慰謝料は取れるか。どのくらいの額慰謝料がとれるか」

 「この場合、子どもの親権をこちらに貰い受けることはできるか」

 「子どもと面会交流をしたいのにさせてくれないが、違法ではないか」

 「慰謝料・養育費を旦那が払ってくれないが、何とか請求できないか」

 「財産分与を請求したいが、どうすればよいか。どのくらい請求できるか。

  時効は大丈夫か。」

 等々です。

離婚できるか、慰謝料をいくらとれるか、等は全て法的権利に関わることです。親権の有無についても、親権という法的権利があるかないかという法的判断です。このような法的判断を示すことが法律相談です。

法的判断を示すためには、膨大な法令・判例知識はもちろん、裁判や調停実務に実際に関わっていることが不可欠です。もし、「これは離婚できる」などと適当な見通しを示されて、実際には離婚事由などないということになれば、当事者は大変な不利益を被ります。

そこで、法律相談は国家資格を持った人のみに許されているのです。その国家資格が弁護士です。具体的には、司法試験に合格し、最高裁の司法研修所における司法修習を終了してなおかつ弁護士として登録している者です。弁護士以外の者は、業として法律相談をすることは禁止されており、行政書士等が行えば違法行為となり、実際に逮捕されることもしばしばあります。

ただ、ほとんどすべての行政書士および司法書士の方は、違法な法律相談にあたらないよう常に気を付けておられます。したがって、法的な見通しを聞きたい、あるいは法的判断を聞きつつ書類作成したいという方は、弁護士に相談しないと意味がないことになります。

弁護士と行政書士等との具体的な違い

弁護士と行政書士等は要するに何が違うのか

行政書士は、上の表でお示ししたとおり、出来ることは書類の作成のみです。したがって、たとえば「旦那と慰謝料の額で折り合わないので、何とかしてほしい」という場合、行政書士は妻に代わって夫と交渉することはしてくれません。

行政書士が出来るのは、

既に離婚の条件等が決まって、交渉が不要で決まったことを代わりに書面にすること、です。

行政書士があなたに代わって交渉や調停や裁判をしてくれることはありません。また、行政書士がこの場合離婚できるか、慰謝料を取れるか、どのくらいの慰謝料がとれるか?という質問に答えてくれることもありません。

また、法律相談なしで裁判等で主張する法的構成や書面に書くべき内容が決まっているような場合に、代わりに訴状等を行政書士が書くことは出来ます。しかし、代わりに書くだけであれば、依頼する必要は少ないでしょう。

当事務所にも行政書士の資格を持つ者がいますが(弁護士は、そもそも行政書士のすべての業務を行える上に、行政書士登録もできます)、行政書士として訴状等を作成することはまずありません。

弁護士は一切の制限なく、離婚に関わるすべての法的判断も交渉も調停も裁判も堂々と行います。

ただ、これは「何の専門家なのか」という専門分野の仕分けにすぎません。行政書士は、あくまでも役所に対する許認可を求める書類を代書する専門家ですので、出来ることは限られてしまうというだけに過ぎないのです。

質問事項弁護士行政書士

慰謝料額が折り合わない

「夫と離婚したいが、慰謝料の額で折り合わないので、何とかしてほしい(交渉してほしい)

×

子どもと会いたい

「妻と離婚したが、子どもが妻に囲われてしまって、話さえ出来ない。何とか面会交流したいので、妻と交渉ないし、調停をしてほしい」

×

夫(妻)の浮気相手への慰謝料請求(1)

「旦那の浮気相手の女が許せない!慰謝料請求したいので、まずは支払いを求めて交渉して欲しい。また、支払いを求める専門家名義の内容証明を送ってほしい」

×

夫(妻)の浮気相手への慰謝料請求(2)

「浮気相手の女が許せない!内容証明を送っても無視している。裁判をして請求して欲しい」

×

離婚できるか?

「妻が浮気をして離婚したい。そもそも、こういう場合離婚できるのか?」

×

(これに対する回答は法的判断なので、出来ません)

慰謝料を取れるか?

「妻が浮気をしたが、こういう場合慰謝料を取れるのか?どのくらいとれるのか?浮気相手からも取れるか?妻が胸をもまれているところを撮影した写真があるが、これで不貞行為といえるのか?」

×

(いずれにも回答できません【してくれません】)

離婚の合意書を作ってくれるか?

「旦那と離婚すること自体はもうお互い合意できているが、細かい条件は決まっていない。細かい条件について相手と交渉しながら、それらを合意書にして残してほしい」

×

合意書を代わりに書いてくれるか?

「離婚も決まって、条件も決まりました。ただ、口約束は心配だし、素人同士が作っても形式が不安です。決まった内容を書面に代わりに書いてくれますか?」

・・・解決相談所、解決センターには要注意!

近年、離婚が激増しており、その離婚率は30%以上とされています。このような状況で、離婚問題を食い物にする悪質な非弁(弁護士でない者が法律相談をしたり、有料で弁護士しかできないことをすること)業者等が増加しております。

例えば、「離婚問題…解決相談所」や「離婚解決…センター」等の名称でHPを作っていることが多いのが特徴です。センターや相談所等の名称は、いかにも公的であったり親身になってくれるイメージを与えます。

しかし、センターという名称の施設等があるわけではなく、行政書士事務所だったり、何の資格もない違法な悪質業者の小さな事務所があるに過ぎないという場合が非常に多いです。実際に逮捕者も出ており、近年問題が表面化しております。(同じような問題は、詐欺問題解決相談所や交通事故解決相談センター等の名称を使う業者等でも起こっています)

弁護士以外は、法律相談に答えてくれることはありませんし、交渉や調停をしてくれるわけではありません。

重要なことは、自分は何をしてほしいのかをしっかり見極めることです。そして、センター等の運営者を見極めることです。弁護士が運営しているのであれば、その旨が絶対に示されています。弁護士名(あるいは、運営の法律事務所名)が出ていないような場合には、まず違法業者かどうかを確認することをお勧め致します。

法「務」事務所と法「律」事務所の違い

「務」事務所と法「律」事務所は、似ていますが全く違います。法律上、弁護士が運営する場合だけ「法律事務所」の名称を使うことが許されます。法「務」事務所は基本的に誰が使っても違法ではありません。

つまり、法律事務所は弁護士が運営していますので、少なくとも離婚問題等法律問題に関しては非弁違法業者である可能性はかなり低いでしょう。

弁護士と司法書士・行政書士とのその他の違いについて

弁護士と司法書士等とは一見何が違うのかわかりにくいところがありますが、以上ご説明したとおり、全く役割の異なるものです。基本的には登記については司法書士に、税金については税理士に、登記と税金を除いたすべての法律問題は弁護士にということになります。

弁護士と司法書士等との違い(相続)

相続問題を扱える範囲

各士業が合法的に扱える範囲弁護士司法書士行政書士税理士
相続人等の調査  ○  ○  ○  ○
遺産分割協議書の書類作成  ○  △  △  ×
依頼者の代わりに交渉すること  ○  ×  ×  ×
調停の代理人  ○  ×  ×  ×
審判の代理人  ○  ×    ×  ×
財産等の差押え手続の代理  ○  ×  ×  ×
裁判の代理人  ○  ×    ×  ×
相続登記  ○  ○  ×  ×
税の相談・申告  △  ×  ×  ○

注1 書類作成すること自体は可能。ただし、依頼者の意向をまとめて法的アドバイスをする等して新たな権利義務関係を作ったり等、いわゆる法律相談をして、その結果を取りまとめたりすることはできません。

注2 法律的には可能ですが(弁護士法3条2項)、少なくとも税申告に関わることについては、税理士の方が向いているといえるでしょう。

各士業が、×となっている業務を(少なくとも有料で)行えば、弁護士法72条違反となり、違反した場合には弁護士法77条により2年以下の懲役又は300万円以下の罰金という刑罰を科されることとなってしまいます。

弁護士は相続における法律問題全てをワンストップで行うことが出来る

弁護士が相続において出来ることを抽象的にまとめると、上記のとおりです。しかし、これでは分かりにくいかもしれません。そこで、弁護士が出来ることを具体的に列挙すると、下記のとおりです。

  • 不動産の名義変更
  • 遺産分割協議書の作成
  • 遺言書の作成・検認
  • 戸籍の収集
  • 財産管理
  • 相続放棄の手続き
  • 調停申立書作成・調停代理出席
  • 訴状作成・訴訟代理
  • 相続にまつわる法律相談
  • 税務相談
  • 相手方との交渉
  • 戸籍の訂正・戸籍の職務上請求
  • 弁護士会照会による預金の使い込み状況調査

要するに、弁護士は相続にまつわるほぼすべてのことを行うことが許されている唯一の国家資格です。

しかし、許されている=上手くできるとはなりません。重要なのは、弁護士はあらゆる相続業務を行うことが許されているからこそ、あらゆる相続シーンを経験することができるということです。

たとえば、裁判や調停を実際に経験しないと、事案の見通しの立てようがないといえます。少なくとも、当事務所の弁護士は、日常的に調停等を経験しておりますので、見通しを十分にお示ししたうえ、あらゆる方策を検討し、最善の結果を目指します。

相続業務をやるとしても、交渉はできずに、依頼者の方に交渉を任せて、その結果を聞いて指示をしての繰り返しでは、到底満足な解決はできず、むしろご自身でなさった方が良い結果を生む場合さえあろうかというのが実感です。

そのようなことから、交渉や、意見のとりまとめ等は当事務所に任せていただくことができます(もちろん、交渉はご自身で行って書面作成だけを依頼していただくことも可能です。)。

相続問題における弁護士の役割

何故、弁護士が相談先となるのか?

弁護士は、このように相続問題全般について権限を持っており、弁護士会照会等の公的制度も用意されており、日常的に相続業務を行っている専門家ですから、裁判所の調停委員自体も30~50%の割合で弁護士が担当しています。

既にご説明したとおり、弁護士以外は法律相談をすることは出来ません。行政書士や司法書士の場合ですと、法律相談(法的にどういう内容にしたらよいのか、すべきなのか、裁判ではどうなるのか等の相談)はできず、ご依頼者の言われたことをそのまま書くことになります。それにかかわらず、違法に法律相談をして遺言書や分割協議書等を作成した場合作成過程に違法性があることになります。このように、本来してはいけない違法な法律相談を経て作成した遺言書だとわかった場合は、大きな問題が生じます。

当然自分に不利なことが書いてある他の相続人からすれば、「その遺言書、分割協議書は違法無効だ」と争ってくるわけです。その相手方に弁護士が就いた場合には、調停や裁判で争われることになります。その場合には弁護士に依頼せざるを得なくなってしまい、かえって費用がかさんでしまいかねません。

このように、せっかくいい条件で作成しても、「作成過程に違法がある」と言われてしまえば、元も子もありません。弁護士であれば、堂々と法律相談をして、疑義が起こらないよう、遺言書や協議書の内容も法的にチェックし、その結果として作成致します。そのようなことから、書面作成については弁護士に依頼することを強くお勧め致します。

相続問題における弁護士の役割

弁護士は、相続問題について制限なく行うことができますので、途中で他の専門家に相談に行く必要が少なく、費用も安くなる場合が多いといえます。何よりも、相続は極めて微妙な問題です。せっかく協議書や合意書をまとめたり、合意にこぎつけても、後々遺言書等の作成過程に疑義が生じたりしてしまっては元も子もありません。

弁護士は、法律相談や訴訟・調停の専門家です。したがって、協議書や遺言書も、十分に法律相談を行って依頼者の意向をじっくりと聞き、最終的には訴訟や調停を見据えて、最善と思われる方策を取りまとめます。他の専門家等は、調停や審判はもちろん、相続に関わる訴訟を扱うことはできませんので、訴訟等を見通した方策を取ることは難しいのです。

以上のことから、弁護士は相続全般について、ワンストップで解決する役割を担っているといえます。

ただし、これは士業の役割分担の問題にすぎず、弁護士は相続等法律問題の専門家ですが、例えば司法書士は登記の専門家です。登記に関することについては、司法書士の方が得意ですので、複雑な事例については、司法書士が適任といえます。

また、税理士は税の専門家ですので、税に関して判断が難しい場合には税理士をご紹介致します(なお、税理士にも専門と専門でない分野があります。税に関してのみご相談する場合には、相続税を扱っている税理士へのご相談を強くお勧め致します)。

弁護士に頼むのは争いのある場合?

訴訟・調停は5%程度ということの意味

争いのある場面であれば、相手方との交渉や訴訟・調停を行う必要があります。したがって、頼むとしたら弁護士ということになります。

しかし、弁護士が扱っている相続業務の多くは、争いのあるないに関わりません。弁護士は、争いにならないように、相手方と交渉をします。そして、交渉ができるのは、弁護士だけです。訴訟や調停にまでなるのは、概ね5%程度ですが、その多くは弁護士同士の交渉や弁護士と相手方との交渉で合意が出来るからです。

何故、弁護士は交渉で解決できるのか?

その答えは、弁護士は訴訟や調停を日常茶飯事に行っており、結論が読めるからです。

例えば、「親の介護をしていたから多く遺産をもらいたい」と兄弟の誰かが主張していて困っているというケースは多いです。この場合、裁判や調停実務ではいかなる場合にどの程度寄与分が認められるか、を個別の事例について具体的に判断することが必要です(この法的判断をすることが許されるのは、弁護士のみです。)。

調停や裁判の実際の経験に基づいてしっかりと結論を説明すれば、「争っても無駄」ということは多くの場合理解を得られます。弁護士同士であれば、なおのことです。

弁護士と司法書士等との違い(債務整理)

司法書士の業務範囲

140万円基準とは?

司法書士は紛争の目的額が140万円以下であり、かつ、簡易裁判所の管轄に属する事件について代理が出来るようになりました。これは、弁護士が都市部に一極集中(東京だけで全弁護士の4割以上)して特に過疎地域における法的サービスが万全ではなかったことから、2002年に法改正されたものです。

この140万円の解釈ですが、最高裁平成28年6月27日判決では、司法書士が担当できる範囲を「貸し手(貸金業者など)が依頼者に返済を求める個別の債権額が140万円以下」とされました。

これはどういうことかというと、140万円を超える債権がある場合(依頼者の側から見ると借金)には司法書士は代理できないという意味です。読んで字のごとくですが、最高裁は文字通りの判断をしたということになります。

つまり、司法書士は債権額が額面で140万円を超えた場合、交渉も和解も依頼者に対する相談も出来ないということになります。

結局のところ、140万円以上債権があるという場合には、弁護士だけにしか委任できないということです。

140万円を超えて委任するとどうなるのか

最高裁平成28年6月27日は、140万円を超えて交渉・和解をした司法書士に対する依頼者からの損害賠償請求を認めました。

これはどういうことかというと、依頼者が145万円の借金について債務整理を依頼して、司法書士の報酬額が25万円だとします。その場合、代理権限を越えていますので、報酬額について司法書士に対して返せといえることになります。

また、貸金業者等は、司法書士の代理権なしと判断すれば、依頼者のもとに直接連絡をするようになってきております。つまり、せっかく依頼しても、依頼者がすべて対応しなければならないわけです。

ただし、このようなグレーゾーンに手を染める人はごくごく一部のテレビで見るような大手だけであり、ほとんどの司法書士の先生はそもそもこのような危ない橋を渡ることはありません。

司法書士の説明義務について

司法書士には弁護士との違いをしっかり説明する義務がある

最高裁平成28年6月27日の原審である大阪高裁平成26年5月29日は、以下のような判決を下しています。

「弁護士と司法書士の権限の違いについて説明したというものの,その内容は,訴額等が140万円を超える紛争について司法書士は代理人となることはできないから,訴訟をする場合は本人が法廷に行く必要があるが,司法書士も同行して指示できるのでさほどの困難はないとし,司法書士も弁護士もほとんど変わらず,報酬は弁護士より司法書士の方が安いということを強調するような説明であったことが認められる。また,被控訴人(であるところの司法書士)自身も,訴額が140万円を超える紛争につき訴訟をする場合は,本人訴訟を前提に裁判書類作成関係業務として受任することになること,その場合は本人が法廷に出頭する必要があること,法廷活動についてサポートすること等を説明したと供述するに止まり,それ以上の説明をしなかったことが認められる。」

要するに、司法書士には弁護士との違いをしっかりと説明する義務があります。それをしなかった司法書士に対して、説明義務違反を認め、依頼者に対して損害賠償を命じています。

司法書士による(法律)相談について

上述した大阪高裁の判決では、「書類作成を代理することは可能だが、法的助言などそれ以上の業務を行えば弁護士法違反にあたる」としている。

これはどういうことかというと、司法書士は(もちろん行政書士も)140万円を超え、かつ、簡裁管轄ではない事件について法的助言つまり法律相談をすることはできないということです。例えば、相続事件などでは管轄が簡裁ではなく家裁なので、相談は出来ないということになります。

また、裁判書類をかわりに書いてもらうことは出来ます。しかし、司法書士には法律相談はしてはもらえませんので、あくまでも「既に内容が決まっていて、代わりに書いてもらう」ということ以外出来ないことになります。

裁判書類だけを人に書いてもらい、高い報酬を支払って自分で裁判をするという手法はお勧めできません。それならば、最初から自分でやった方がはるかに費用も安く済みます。

また、お金がない場合には、法テラスを利用して弁護士に頼むことが出来ます。現在では、お金がない人に対する法テラスの支援も充実しておりますので、書類だけを書いてもらうということについては熟慮されることをお勧め致します。

司法書士による(法律)相談について

弁護士は訴訟・調停・審判・交渉、司法書士は登記の専門家

これまで述べてきたとおり、司法書士はほとんど代理は出来ません。それにもかかわらず、無理に委任を受けて、結局最終的に弁護士に委任することになるという例が非常に増加しており、これは絶対に依頼者のためになりません。

また、司法書士は代理はできないので、法廷に付いて行って観客席からコソコソ話で指示をするという司法書士も存在し、懲戒される例も実際にあります。実際の裁判官も、とても法律家の姿ではないと明言しているほどの極端な例ですが、現実の話です。違法な代理人が就いている場合、そもそも代理の違法性が争点となり、訴訟は大幅に伸びることになり、依頼者の不利益は計り知れません。

しかしながら、これらはあくまでも専門性の話なのです。弁護士は司法試験を通過し、かつ、最高裁の元で全員司法修習を受け、徹底的に訴訟や交渉等の「代理」の何たるかについて訓練されます。ですから、当然弁護士はそれらの専門家としての役割があり、実際に弁護士以外の者が代理をすることは原則として禁止されます。

他方、弁護士は登記も代理できますが、ほとんどの弁護士は登記については自分でやろうとせず、プロである司法書士の先生にお願いします。登記も、一見簡単なようにみえても、相当複雑なものもあり、プロである司法書士に任せるのが最も依頼者のためになるのです。

そうしたことから、訴訟や法律相談等は弁護士に、登記は司法書士にというのが法律であり、それが最も依頼者のためになると言えます。

なお、行政書士は司法書士と異なり、訴訟等については一切代理人にはなれません。また、行政書士は登記代理も出来ません。行政書士は、許認可手続きのプロであり、登記等は行うことは出来ませんので、ご注意ください。

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